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Banksy(バンクシー)「Love is in the Air」作品の意味と解説(愛は空中に)

2021-11-10

「Love is in the Air」はバンクシーが好きでも、そうでなくても「この作品を1度は見たことがある」というくらい有名な作品です。そして「Girl with Balloon」と並び、バンクシーを代表する作品の一つになっています。

まず、作品にはベースボールキャップを反対に被った暴徒... そして、バンダナで顔を隠している男が描かれています... 火炎瓶の代わりに花束を投げる様子が印象的。シンプルな描写なのに、インパクトが強烈なのはすごいです。

この絵からどんなメッセージが読み取れるでしょうか?一見すると、シンプルでわかりやすい描写ですが、見る者の捉え方によって、作品の意味が大きく変わるのもこの作品の素晴らしさです。

個人的には作品から「火炎瓶(暴力)よりも、花束(愛)を投げて戦え」という、ポジティブなメッセージが読み取れます。ちなみに、そういった社会へのメッセージ性や作品に愛を込めた所がバンクシーを代表する作品たる理由の1つかも知れません。

Love is in the Air もう一つのタイトル

「Love is in the Air」の邦題は「愛は空中に」とよくされています。また、英語では「Flower Thrower」と呼ばれることもあります。さらに、バンクシーの代表作品と呼べるほど「Love is in the Air」には、色々なバージョンが存在します。

こちらが作品を2分で紹介したYoutube動画です。これまで訪れた世界中のバンクシー展で展示された作品を紹介しています。

動画よりも、普通の画像が良い... という方のために、ここからは色んな「Love is in the Air」を年代順に紹介します。

2000年、「Love is in the Air」の元となった作品

こちらはバンクシーの元代理人「スティーブ・ラザリデス」が撮った写真です。ちなみに、場所はブリストルで2000年に撮られたものです。写真に写っているのは「Love is in the Air」の原型となる作品です。そして、バーコードの上に花束を投げる暴徒が描かれています。

背景のバーコードはバーコードから飛び出す表を描いた「Barcode」。そして、花束を投げる暴徒は「愛は空中に」にへと進化していきます。

そして、こちらが今僕らが知る「Love is in the Air」です。

2003年 「Love is in the Air」の壁画がパレスチナに初登場

「Love is in the Air」が最初に登場したのは2003年。パレスチナとイスラエルを分断する分離壁が建設された時です。ちなみに、上の画像は2003年の壁画の画像ではなく。2005年のものです。

この分離的は全長760kmにも及び。そして、最初の「Love is in the Air」はその分離壁の上に描かれました。また、バンクシーはこの分離壁についてこう語っています。

この分離壁が、パレスチナを世界最大の野外刑務所にしてしまった。

2005年、バンクシーはパレスチナを再度訪問。9つの壁画を残しました。その内の一つが上の画像の「Love is in the Air」の壁画です。

ちなみにこの壁画はパレスチナのガソリンスタンドの壁に描かれていて、2024年現在もこの壁画は残っています。もし、現地に行く機会があれば、絶対に見てみたい壁画です。イスラエル対パレスチナの戦争が早く終わり、この作品も残ることを祈っています。

2003 シルクスクリーン版「Love is in the Air」

「Love is in the Air」がエディション作品で発売されたのは2003年。シルクスクリーン印刷で限定500枚の発売でした。ちなみに、サイン入り(Signed)はおよそ50枚あると言われ。そして、残りのサインなし(Unsigned)は450枚だと言われています。サイン入りもサインなしもどちら分母が500です。

この時のバンクシーはまだ人気がなく。今ほど、作品制作の際の管理がしっかりしていませんでした。

*ペストコントロールが公式に発表した情報がないので、実際にはサイン入りとサインなしの枚数の比率はわかりません。

初期の頃の作品には、曖昧な情報もかなり多く。それがコレクターを困らせる理由の1つでもあります。

さらに、他にはキャンバスやダンボール... また、ペーパー作品やイエローシート...などなど。色んなバリエーションの「Love is in the Air」が存在します。そして、こんなものにも「Love is in the Air」が使われています。

2005 Wall and Piece バンクシー唯一の公式作品集

そう、例えば、2005年発売されたバンクシーの公式作品集。現在も購入できるバンクシー唯一の公式作品集である「Wall and Piece」の表紙を飾っているのが「Love is in the Air」のデザインです。

世の中にあらゆるバンクシーの作品集が存在します。しかし、バンクシー本人が関わったオフィシャルの作品集はこの「Wall and Piece」一冊だけ。他の作品集はバンクシー以外の第3者が編集したものです。

もしあなたがこれから「バンクシーについてもっと知りたいので、バンクシーの作品集を買いたい!」と思うなら、絶対にこの作品集を持っておくことがオススメです。

なぜなら、バンクシー自らが選んだ画像や作品、メッセージだけを見れるのはこの作品集だけだからです。

(ちなみに、2023年開催のバンクシー公式展「Cut&Run」の会場で発売された作品集もありますが、これは公式展の会場でしか購入できなません。)

バンクシー「Wall and Piece」の英語版はこちら

バンクシー「Wall and Piece」日本語版はこちら

「Love is in the Air」にはまだまだ他のバージョンがあります。次はこれ。

2019 Thrower たった一年で318倍も価格が上昇

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2019年、バンクシーは公式オンラインショップを期間限定でオープン。その時に発売した作品の一つが、「Love is in the Air」のデザインを使ったこちらの作品「Thrower」です。

「Flower」はオンラインショップでの発売時はたった11万円程度でしたが、2020年10月14日に開催されたオンラインオークションでは3500万円以上で落札されたので、一年も経たないうちに318倍以上に価格が高騰したことになります。

この結果だけを見ても、バンクシーの「Love is in the Air」がいかに人気のある作品かがわかります。

2021年 約14億円で落札された「Love is in the Air」

こちらの「Love is in the Air」は2006年に制作された作品です。そして、2021年5月12日に開催されたサザビーズ・ニューヨークのオークションに出品され、約14億円で落札されました。

この作品について詳しく知りたい方は下のリンクからどうぞ。

「Love is in the Air」がこのオークションでは歴史上初めて、仮想通貨でも落札できることになり、大きな話題を呼んだ。

2021年 東京「バンクシーって誰?展」にて...

2021年8月21日から国内2つ目となる大型バンクシー展「バンクシーって誰?展」が東京天王洲アイルで開催。

上の画像のように、「Love is in the Air」はバンクシーって誰?展のメインの広告デザインとして使用されました。

バンクシーって誰?展の約9.2億円の「Love is in the Air」

オリジナルキャンバス作品の「Love is in the Air」はこのエキシビションの目玉作品として展示。

また、「バンクシーって誰?展」に展示されているこの「Love is in the Air」は2021年11月18日、サザビーズ・ニューヨークに出品。予想落札額400万ドル~600万ドル(4.6億~6.8億円)の所... 807万7200ドル、日本円にすると、約9.2億円で落札。

既に日本での展示が終了した「バンクシーって誰?展」ってどんなだったという方は、こちらの記事を「バンクシー展で絶対に見るべき作品」をチェックして下さい。

今後も生まれる新しい「Love is in the Air」

2003年に初めて誕生した「Love is in the Air」... 今や、形や媒体、場所を変え、あらゆるバージョンの「Love is in the Air」が生まれています。VIPコレクターに制作されたものもあります。なので、これからまだ世には出ていないバージョンを見る機会が増えるでしょう。

そして、これからどんな新しい「Love is in the Air」が生まれるか楽しみです。また、新しいバージョンが誕生したら、この記事で紹介します。

ちなみに、 Love is in the Airを購入したい!という方は、こちらからお問い合わせ下さい。

バンクシー「Love is in the Air」の販売ページに飛ぶ。

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