バンクシー作品解説と販売

Banksy(バンクシー)を象徴するスマイリーの作品「Have a Nice Day」「Flying Copper」の意味と解説

2023-04-05

バンクシー作品を象徴するモチーフと言えば、サル、ネズミ、スープ缶がある。しかし、今回紹介するスマイリーの作品も忘れてはいけない。

バンクシーの過去の活動を見ると、ごく初期の頃からこのスマイリーの作品は存在している。

Have a nice Day 2003

まず紹介するのは「Have a nice Day」だ。この作品は2003年に、バンクシーが設立した伝説のギャラリー「POW」こと「Pictures on Walls」の設立時に発売された記念すべき作品だ。

言い方を変えれば、バンクシーのメジャーデビュー作とも呼べる。「Have a nice Day」のサイズは縦36cm x 横100cm。そして、サイン入り限定50枚、サインなし限定500枚が発売された。

Have a nice Dayに描かれたのは...

重装備の機動隊が一列に並び、真ん中には戦車に乗った警官がいる。そして、警官はヘルメットを被り、顔はスマイリー。さらに、機関銃を構えている。ちなみにPOWはこの作品について「POW 初の作品にして、最もハッピーな作品」と評している。

幸せの象徴とも呼べるスマイリー。そして、権力の象徴である警察官。重装備で機関銃を構えるスマイリーの警官達は何かに立ち向かうよう。そして、作品中央の下には「Have a nice day=良い一日を」という言葉がある。

異なる要素が重なり合うことで生まれる空気感。シンプルな表現だけど、色んな意味が拡がって行くバンクシーらしい作品だ。

Flying Copper 2003

次に紹介するのは「Flying Copper」。この作品は2003年に発売されたエディション作品だ。特にサイズが縦100cm x 横70cmと巨大で、実物で見るとものすごい迫力がある。そして、サイン入りが限定150枚。サインなしが限定600枚で販売されている。

「Flying Copper」が最初に登場したのは2003年開催のバンクシー伝説のゲリラ・エキシビション「Turf War」だ。

天井から吊るされた「Flying Copper」は、カードボード(段ボール紙)を切り抜いて作られた作品だ。重装備で機関銃を構え、手錠を腰に巻き、背中には天使の羽が生えている。

警官は一般人の平和や秩序を守る象徴であり...そして、国家権力など権力者側の象徴でもある... 確かにこちらも、見方によって、180度変わる作品だ。

Smiley Copper Original 2003

こちらは2020年開催、国内初大型バンクシー展「バンクシー展 天才か反逆者か」で展示された作品だ。「Flying Copper」とは違い、この作品には天使の羽がない。おそらくだが、どのバージョンが良いか見るためにテストで作ったうちの1枚だろう。

Grin Reaper 2005

「Grin Reaper」は2005年にPOWから発売されたエディション作品だ。シルクスクリーン印刷でサイン入りの作品が300枚限定で発売。サインなし(Unsigned)の作品は発売されていない。ちなみに、作品のサイズは縦70cm x 横44cm。

スマイリーと死神; この作品の意味とは...

作品に描かれたのは大きな鎌を持った死神。そして、死神の顔がスマイリーになっていて、ビックベン(?)の時計の上に座っている。また、時計は深夜12時5分前を指している。まさに、5分後に深夜12時になったら、人の命を刈りに行くのだろうか。

死神は英語で「Grim Reaper」だが、この作品のタイトルは「Grin Reaper」になっている。「Grin」は笑顔で「Reaper」は刈る人という意味。「あと5分経ち、12時になったら笑顔を刈りに行く」という意味だろうか。

死神(暗)とスマイリー(明)の相反するテーマを1つの作品に同居させることで色んな意味が拡がる独特の世界観が生まれている。

Wrong War 2003

「Wrong War」は2003年に制作され、作品のサイズは縦85.5cmで横57cmだ。この作品は段ボールの上にステンシルスプレーペイントで描かれている。こちらの作品にも鎌を持った、顔がスマイリーの死神が描かれている。

2005年以降、スマイリーがモチーフの作品はほぼ制作されていない。しかし、また新しいスマイリーの作品が登場すれば、このページに新しい作品の紹介を書き加えたい。

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