Banksy(バンクシー) 伝説のゲリラ エキシビション 'Turf War' 2003

2017-03-18

2003年7月18日、予告なしに Banksy (バンクシー) 伝説のエキシビション 'Turf War'(ターフ・ウォー)がゲリラ開催。開催場所はイースト・ロンドンのダルストン。当時、音楽やアート、ファッションを志す若者達に人気のあった街だ。

会場となったのは、長年放置され続けてきた倉庫。当日まで、Banksy(バンクシー)のエキシビション会場の場所など詳細は伏せられたままだった。

BRANDALISM(ブランダリズム)とは?

まず「Branding」は家畜に焼印。そして「Vandalism」は破壊行為。この2つを掛け合わせた造語がBRANDALISM (ブランダリズム) だ。

(家畜に焼印を押すようにステンシルで牛にBranding)

バンクシーは牛、豚、羊の家畜の体にステンシルペイントを施した。ペイントされた動物達を会場内に展示したことで物議を醸し、動物愛護団体から強い批判を受けた。さらに、活動家の中には、エキシビション会場の倉庫のレールに自分自身を鎖で繋いで抗議した女性活動家もいた。

しかし、日々、何万頭という牛、豚、羊など動物が食用のお肉として、恐怖心を与えられながら、残酷な方法で殺されている現実があるわけ。なので、動物たちの体にペイントしたくらいでなぜ非難を呼ぶのかわからない。

当初、食肉について考えるきっかけになってくれたらとやったことだった。しかし、このエキシビションはバンクシーに逮捕状が出されたことでオープニング3日後の21日にエキシビションが閉鎖された。

当初は 7月18日から24日までの一週間、開催される予定だった。

(ステンシルペイントされた家畜の羊)

権力の象徴である警察官がスマイリーの顔をした「Flying Copper」

エキシビション会場では、Banksyの作品やグッズを購入していく人もいた。だが、多くの来場者はまだ、バンクシーがどこまで凄いアーティストか気づいている人は少なく、ただ過激なことをして注目を引くアーティスト、というふうにしか見られていなかったようだ。

ジム・フィッツパトリックの名作「Viva Che」をオマージュした作品。

ジム・フィッツパトリック
「Viva Che」をオマージュした作品

天井から吊るされた木材にステンシルペイントされた「Love Rat」

Banksy
Love Rat


(バルビゾン派を思わせるような風景画に、、、
「バンクシーならでは」な作品)

聖母マリアがイエスに飲ませている哺乳瓶には毒が...「Toxic Mary (Double)」


エキシビション会場近くに描かれた「Happy Chopper」

地下鉄のポスターに描かれたバンクシーのネズミ


ジェイミー・オリバー(イギリスの家庭料理と言えばこの人)やBBCで番組キャスターを務めていたサラ・コックスなど、セレブ達も話題になっていたバンクシーに会いたいと会場まで足を運んだが、誰一人としてバンクシーに会えた人はいなかった。

当時はまだ、一部の熱狂的なグラフィティアートファンにしか知られていなかったBanksy(バンクシー)。ゲリラ的に開催された「Turf War」は伝説のエキシビションとなっている。

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