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バンクシー・ダズ・ニューヨーク(バンクシーがニューヨークを占拠した1ヶ月間のドキュメンタリー)

2019-03-08

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 2013年10月1日、バンクシーはニューヨークの街全体を巻き込み、パフォーマンスを開始した。そのパフォーマンスというのは、10月1日から31日までの1ヶ月の間、ニューヨークのどこかに、毎日一つ、作品を投下していくというものだ。

作品投下の場所はあえて非公開。写真や動画を公式サイトへ投稿するだけ。

ニューヨーカー達は血まなこになって路上とインターネット上、双方からバンクシーが残した作品を探し回った。人の心理をうまくついている。

その一部始終を追ったのがNYCのテレビ局「HBO」が制作したドキュメンタリー「Banksy Does New York(バンクシー・ダズ・ニューヨーク)」だった。

バンクシー・ダズ・ニューヨークとは何だったのか?

・高級ギャラリーが建ち並ぶエリアのうす汚れた高架橋の下でブラジルを代表するストリート・アーティスト「OS Gemeos」とコラボした作品を展示。

・老舗オークションへ出品したら数千万円で落札されることが確実なバンクシーのサイン入りキャンバス作品を、露天で、バンクシーになんか目も暮れてなさそうなお爺さんが一枚 60ドルで販売していたら? 結果は1日に7枚しか売り上げなかった。たったの7枚だ。

・屠殺場で食肉になる牛、豚、鳥、羊のぬいぐるみを乗せたトラック。

・バンクシーが残した作品の写真撮影に 1回、5ドル(5、600円)を要求し始めたニューヨーカー達と、5ドルを支払ってまで写真を撮りたいニューヨーカー達。

・2013年当時のニューヨーク市長、マイケル・ブルームバーグを怒らせ、非常事態宣言を発令させる。

・赤い風船に向けて少女が手を伸ばす「Girl with Ballon」という作品があるが、その少女がいないバージョンを残しておくだけで、ニューヨーカー達が女の子に取って代わって写真撮影し、SNSで瞬く間に拡散するまでが作品のインスタレーション。

・スーパーマーケットの壁に残されたバンクシーの作品を他のグラフィティアーティストに上書きされてしまわないために、アクリル板で保護して店の名物にするスーパーのオーナー。

・クイーンズ地区に残された廃材でできたスフィンクス。大型商業施設の建設に伴い廃業予定の自動車修理工場の男たちがそのスフィンクスを持ち去り、現代アートギャラリーのオーナーに即転売するまで。

https://www.youtube.com/watch?v=--Z_wcAz3IU&t=1459s

今ならまだ、You Tubeで無料で見る事ができます。

消される前に急げーーー!

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まとめ

バンクシー・ダズ・ニューヨークでは、米軍や食肉業界に対する批判。人は本質を見ず、環境や状況から判断する人が大半。何ら変わらないバンクシー作品でも、お爺ちゃんが露天で販売するというだけで、ほぼ誰も見向きもしない現実。

人間の強欲、社会や政治の矛盾を愛と皮肉たっぷりに描き出した、NYCを丸ごと巻き込んでの壮大なドキュメンタリーに仕上げてきています。アーティストとして作品を残すだけでなく、社会問題を提起し、議論をテーブルに載せる社会活動家らしいバンクシーの企画立案。

バンクシーの正体はいったい誰なのか?なんて考える必要がないくらい、人間の本性を剥き出しにして見せ、たっぷり考えさせてくれるのがバンクシー・ダズ・ニューヨークです。


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