バンクシー作品の中で、唯一日本に関連するのがこの「FLAG」です。
「Flag」には背景がシルバーのサインなし「Silver Flag」。そして、背景がゴールドのサイン入り「Gold Flag」の2種類があります。
サインなし「Silver Flag」は限定1000枚。そして、サイン入り「Gold Flag」は112枚で発売されています。
他のサインなしの作品は多くても限定600枚です。サインなしの「Flag」は1000枚も発売されているので、他と比べて、400枚以上枚数が多いことになります。
バンクシー作品で最も購入しやすい1つ
作品の発売枚数が多いので比較的安価なこと... 唯一日本に関連する作品であること... そして、シックなデザインで飾りやすいということ... これらの要素が合わさり、「Flag」は日本のコレクターの間で人気で最も購入者が多い作品の1つです。
ちなみに、個人的に日本だけで「FLAG」を通算20枚以上販売しています。そして、販売枚数は毎年増えています。
さて、「Flag」は何がモチーフになった作品なのでしょうか? 実際の画像を元にもう少し詳しく見て行きましょう。
第二次世界大戦中の「硫黄島の星条旗」がモチーフ
「Flag」は2006年に公開されたクリント・イーストウッド監督の映画「父親たちの星条旗」で再び話題になった報道写真「硫黄島の星条旗」をベースになっています。
ちなみに、この「硫黄島の星条旗」は第二次世界大戦中の1945年2月23日にジョー・ローゼンタールによって撮影された写真です。そして、この画像は太平洋戦争を表すイメージとしてよく知られ、1945年にピューリッツァー賞を受賞しました。
画像では、6人の米兵が星条旗(FLAG)を硫黄島のすり鉢山の上に掲げる姿が映されています。しかし、この画像の撮影後、3人は戦争で亡くなったそうです。
バンクシー「FLAG」の意味とは... 目を凝らすと日の丸が浮かび上がる?
作品中央には焼け焦げたボロボロの車。そして、その車の上に登り、星条旗を掲げる子供達。また、空に煌々と輝く太陽のようなモノが描かれています。
それは、太陽とも、月とも、区別がつきませんが、ゆっくりと引いて全体を見ると日本の国旗「日の丸」のように見えてきませんか?バンクシーは明言していませんが「FLAG」は日本を描いた作品なのかも知れません。
旗を挙げる行為は、戦いでの勝利以外に、何か新しいことを始める意味や、新たに事業を始めるという意味もあるので、破壊後の再生を意味しているのかも知れません。
POWのクリスマスイベント「サンタズ・ゲットー」で発売
「Flag」には背景がゴールドとシルバーの2種類のバージョンがあります。どちらもサイズが縦50cm x 横70cm。そして、それぞれ、光沢のあるゴールドとシルバーの紙の上に黒一色で印刷された、ちょっと変わった印刷方法になっています。
バンクシーが自身の作品を主に発売していたギャラリー「POW」ことPictures on Wallsは、毎年クリスマス時期にアートイベントSantas Ghetto(サンタズ・ゲットー)を開催していました。
背景がシルバーの「Silver Flag」は2006年のサンタズ・ゲットーの会場で発売。
背景がゴールドのサイン入り「Gold Flag」は2007年のサンタズ・ゲットーの会場で発売。
ちなみに、2007年のサンタズ・ゲットーはパレスチナで開催。
その他、バンクシーの代理人「スティーブ・ラザリデス」のギャラリーが2008年に発売したSilver Flag on Formica。 そして「Gold Flag on Formica」の2種類の特別版が存在します。この特別版はフォーマイカという材質の上に印刷されています。
Flag Wall 2006 - アクリル画 on ウッドパネル
「FLAG」には10枚のウッドパネルを繋ぎ合わせた巨大バージョンも存在します。こちらは10枚のウッドパネルにアクリル絵具で描いた作品で2006年の制作です。画像では伝わりにくいですが、縦が2メートル以上、横も5メートル近く超巨大な作品です。
この巨大な「Flag Wall」がオークションに出品されたら、バンクシー オークション落札額 ランキング TOP10にランクインされる可能性大です。