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バンクシーのプロがバンクシー展 天才か反逆者か 大阪をレビューしてみた!

2020年10月9日、日本初の大型バンクシー展「バンクシー展 天才か反逆者か」が遂に大阪の南港ATCギャラリーでオープンした。

この大阪のバンクシー展にも展示している作品を仲介・販売している、いわば「バンクシー作品のプロ」でもある僕が、実際にバンクシー展の初日・オープニング時間に行ったので、その内容を詳しく解説してみようと思う。

まずは、「日本初の大型バンクシー展を先入観なしに見たい」という方には、実際にバンクシー展の全内容を撮影して、ほぼ編集をしていないこちらのブログの公式チャンネルのYoutube動画を観て頂きたい。

*約1時間の内容なので、ゆっくり見るか、好きな内容だけを選んで、飛ばし飛ばしで観て欲しい。

ここからは、実際にバンクシー展にも展示する本物のバンクシー作品を販売・仲介する僕が気になった作品、実際にバンクシー展に行ってみた感想と、注意して観るべき作品を紹介しよう。

プロから観て、このバンクシー展はどうだったのか?

ここまでたくさんのバンクシー作品が初めて、日本に集まったことは素晴らしいことだと思う。

しかし、正直言うと、今回のバンクシー展はどこか、物足りなかった。

オリジナル作品やサイン入りの作品が少なく、Unsigned(エディションナンバーのみ)の作品やポスター、自作のインスタレーションが多く、どこか「レアな作品が少ないので、傘増ししないと行けない!」という感じだった。

他の非公式のバンクシー展に行った方ならわかると思うが、他と比べると、レアな作品の数が圧倒的に少なかった。

これまで、バンクシーのオリジナル作品を多数常設展示するオランダ・アムステルダムのMoco Museum(モコミュージアム)やバンクシーの元代理人「スティーブ・ラザリデス」が開催するバンクシー展「The Art of Banksy」に行ったが、「海外の非公式のバンクシー展に比べると、安く上げたなぁ」という印象は否めない。

誇張しているわけでもなく、バンクシー作品についてある程度知っていて、海外の他のバンクシー展に行ったことのある人なら、同じように思う人も多いだろう。

バンクシー展 天才か反逆者かは行く価値がないのか?

「バンクシー展 天才か反逆者か」が物足りなかったと、初めに書いてしまったが、行く価値がないか?というとそういうわけではない。

事実、他の海外のバンクシー展に比べると展示作品のほとんどが見劣りするのは否定できない事実だ。

しかし、中には、今この作品がオークションに掛けられたら、5億円以上で落札されてもおかしくない作品…9割以上の確率で1億円以上の価値がつく可能性が高い作品…

よくこの作品を日本に持って来たなぁ….という作品もあるので、これまで生でバンクシー作品を観たことがない人や、「この作品を生で観てみたい」特定の作品がある人には行く価値は十分にある。

1億円以上する展示中のバンクシー作品

アート作品を市場価値だけで判断するべきではないが、高い価値が付くほど貴重でレアな作品という側面もあるのは確かだ。

なので、バンクシー展に行った際に、市場価値が1億円以上する作品に時間を掛けて観るのも悪くはないと思う。

それでは、現在2020年12月時点でオークションに出品したら1億円以上の価値が付くだろうレアな作品を紹介しよう。

Kate Moss スペシャルエディション 6枚組 推定6億円

  • タイトル: Kate Moss (ケイトモス)
  • エディション:20(6枚とも同じ)
  • 制作年:2005
  • サイズ:70cm x 70cm
  • サイン:あり

2005年11月に開かれたクリスマスイベント「サンタズ・ゲットー」で発売されたメインエディション「Kate Moss Original Colourway」のスペシャルエディションとして発売されたのが、こちらの6種類の「Kate Moss」だ。

メインエディションは限定50枚だが、この6種類はそれぞれ、背景とケイトモスの色が違う限定20枚の作品で、サイン入りのシルクスクリーン作品の中では「Girl with Balloon」に並ぶほど人気がある。

2020年9月のクリスティーズのオークションで「Girl with Balloon」のスペシャルエディションが約1.1億円で落札されたことを考えると、こちらの「Kate Moss」のスペシャルエディションは1枚8000万円〜1億円位で落札されてもおかしくはない。

2020年12月現在、6枚セットにすると、推定4.8億〜6億円くらいの価値が付けられる。

6色すべてのケイトモスが集まることは貴重なので、今回の大阪のバンクシー展では、バンクシー展のメイン会場に入ってすぐの場所に大々的に展示されていた。

この6枚1セットを見れることは中々ないので、十分に鑑賞してほしい。

Monkey Surfer on Bombs 2000 推定5億円

  • タイトル: Monkey Surfer on Bomb(モンキー・サーファー・オン・ボム)
  • サイズ: 178cm x 181cm
  • 制作年: 2000

バンクシーを象徴するおサルをテーマに描いた作品… 巨大なサイズ… バンクシーが本格的にアート活動を始めた超初期に制作された作品…

これらの要素を考慮すると、今この作品をオークションに出品したら、5億円を越える可能性は高い。

2005年に制作したモネの睡蓮のオマージュ作品「Show Me The Monet」が2020年10月21日に10億円以上(755万1600ポンド)で落札されたことを考えると、今後この作品が10億円以上で落札されても、おかしくはない。

バンクシー「Show Me The Monet」に関して詳しくはこちら→バンクシーモネのオマージュ作品が10億円越えで落札。

「Monkey Surfer on Bomb」はおそらく「バンクシー展 天才か反逆者か」の中で、6枚1セットの「Kate Moss」と一二を争う貴重な作品かもしれない。

ちなみに、2017年にオランダ・アムステルダムにあるバンクシー作品を常設する美術館「Moco Museum」に行ったときは、これと同じ作品が展示してあった。

Forgive Us Our Trespassing 推定1億円

  • タイトル: Forgive Us Our Trespassing(フォーギブ・アス・アワー・トレスパシング)
  • サイズ: 69cm x 53.5cm
  • 制作年: 2013

こちらの「Forgive Us Our Trespassing」と同タイトルの作品が、2020年10月5日の香港サザビーズのオークションで約8億9600万円で落札されている。

詳しくはこちら→バンクシーの作品 FORGIVE US OUR TRESPASSINGが約8億9600万円で落札!

この作品は初め、2010年に公開されたバンクシー初監督映画「Exit Through The Gift Shop」の宣伝用ポスターとして制作された。

いくつか違うサイズやバージョンがある中で、こちらの縦69cm x横 53.5cmのサイズの作品は、おそらく、1億円前後という所だろうか。

PANTS (推定2億円)

  • タイトル: PANTS(パンツ)
  • サイズ: 120cm x 84.5cm
  • 制作年: 2009

Very Little Helpsのミューラル

ノース・ロンドンのストリート「Essex Road」にある薬局の壁に描かれたミューラル(壁画)「Very Little Helps」を元に制作されたのがこちらの「PANTS」。

「Very Little Helps」ではイギリスの大手スーパー「TESCO(テスコ)」のレジ袋を掲げているが、こちらの「PANTS」ではイギリスの国旗のパンツを掲げている。

作品のサイズ、希少性、タイトルの人気を考慮すると、1億円は軽く越える可能性が高く、2-3億円の価値が付いてもおかしくない。

Monkey Detonator (推定2-3億円)

  • タイトル: Monkey Detonator(モンキーデトネーター)
  • サイズ: 76cm x 76cm
  • 制作年: 2000

バンクシーといえば、おサル。おサルが爆弾のスイッチを踏むようなシーンを描いたのがこちらの作品「Monkey Detonator」 。

サイズ、バンクシーのキャリア初期の作品、おサルがテーマの作品ということを考慮すると、2〜3億円くらいの価格にはなってもおかしくない作品だ。

Bull Dog(推定1億〜2億円)

  • タイトル: Bull Dog(ブルドッグ)
  • サイズ: 92cm x 92cm
  • 制作年: 2000
  • エディション: 1/1

一見、バンクシーっぽくない、バンクシー初期の作品。メッセージ性がなさそうな初期の作品は枚数も少なく、かなり貴重で、世界に1枚しか存在しない1/1オリジナル作品であることを考慮すると、1億円〜2億円の価値が付く可能性が高い。

Heavy Weaponry(推定1億円〜1.5億円)

  • タイトル: Heavy Weaponry(ヘビーウェポンリー)
  • サイズ: 縦25cm x 横30cm
  • 制作年: 2003

ロケットを背中に巻き付けた象を描いた作品「Heavy Weaponry」。

バンクシーの本物の作品を所有した人ならわかると思うが、こちらはバンクシー作品が本物であることを証明するPest Control(ペストコントロール)発行によるCOAのデザインに使われている。

下のCOAの右上に押されたスタンプが「Heavy Weaponry」のデザインになっている。

サイズが小さい作品なので、どの位の価格になるかは予想しにくいが、COAにデザインされている作品となると、1億円は軽く越えるだろう。

Cop Car (1億円〜1.5億円)

  • タイトル: Cop Car(コップカー)
  • サイズ: 縦76cm x 横102cm
  • 制作年: 2002

2002-2003年に発売されたシリーズアルバム「Bad Meaning Good 」のジャケットデザインとして描かれたのがこちらの作品だ。

タイヤが無くなった警察の車を描いた作品「Cop Car」。

タイヤを失い動けなくなった国家権力。「警察の車は実は動けない位の方がいい」とでも言いたいのだろうか、バンクシー初期の作品だ。

作品のサイズの大きさ、希少性、初期の作品の貴重さからおそらく、1億円を少し越えるくらいの価値になる可能性が高い。

Bad Meaning Good(推定1億円)

  • タイトル: Bad Meaning Good(バッド・ミーニング・グッド)
  • サイズ: 縦40.64cm x 横40.64cm
  • 制作年: 2002
  • エディション: 4

こちらも2002-2003年に発売されたシリーズ版のアルバム「Bad Meaning Good」のジャケットデザインとして描かれた作品だ。

道化師が履くようなシューズを履いているマシンガン。まるで、このマシンガンがジョークか偽物かのように見せているよう。

サイズが小さく、限定4枚の作品なので、1億円前後という所だろうか。

1億円以上の価値が付く根拠….

これまで紹介した作品をすべて1億円以上の価値が付くと予想した。

それは、下の画像のピンクの作品「Avon & Somerset Constabulary」が、2020年10月31日に国内最大級のアートオークション「SBIアートオークション」で9200万円で落札されたからだ。

Avon & Somerset Constabulary

  • タイトル: Avon & Somerset Constabulary
  • サイズ: 縦76.5cm x 横76.5cm
  • 制作年: 2001
  • エディション: 10

この「Avon & Somerset Constabulary」は初期の作品ではあるが、特別に人気のある作品ではない。

そして、エディション10ということは同じ作品が10枚あるということなので、特別に貴重であるわけでもない。

それでも、この「Avon & Somerset Constabulary」が9200万円で落札されたということは、この作品よりも人気があり、希少なキャンバス作品は、ほとんどが1億円を越える可能性が高い。

これが、上で紹介した作品達が、1億円を越える価値が付くと予想した根拠だ。

注目すべきスペシャルエディション

今回、大阪南港ATCギャラリーで開催されている「バンクシー展 天才か反逆者か」では、通常では滅多に市場に出てこないスペシャルエディションも展示されている。

ここからは、今回のバンクシー展で注目すべきスペシャルエディションの作品を紹介しよう。

「来場者が多すぎて、3密が気になるという方や、お目当ての作品はあるが、他は何に時間を掛けて見ていいかわからない」という方は、こちらのスペシャルエディションに時間を割いてみても良いかもしれない。

Choose Your Weapon Right

  • タイトル: Choose Your Weapon Right(チューズ・ユア・ウェポン)
  • サイズ: 縦70cm x 横70cm
  • 制作年: 2010
  • エディション: 25
  • サイン入り

2010年にPOWこと Pictures on Wallsから発売された「Choose your Weapon」.フードを被り、顔をバンダナで隠した男。その男が連れている犬は、キース・ヘリングの作品によく登場する犬だ。

Banksy(バンクシー)は2010年に「Choose Your Weapon」を発売してから、POWから作品を発売しなくなった。

Rude Copper

  • タイトル: Rude Copper
  • サイズ: 縦60cm x 横40cm
  • 制作年: 2002
  • エディション: 250
  • サイン入り

国家権力の象徴、平和を目指すべき警官が中指を立てている作品「Rude Copper」。こちらの作品は、Pictures on Walls設立以前の作品。バンクシーのアマチュア時代の作品とも呼べる。

こちらはバンクシー自らによるハンドスペレーペイントで仕上げられた貴重なスペシャルエディションだ。

Police Riot Truck – Dismaland Gift Print

  • タイトル: Police Riot Truck(ポリース・ライオット・トラック)
  • サイズ: 縦68cm x 横103cm
  • 制作年: 2015
  • サイン入り

こちらの作品は、Banksy(バンクシー)が2015年に開催したディズマランドの園内で働いたスタッフにプレゼントとして制作した作品だ。

ディズマランドって何?という方はこちらをクリック→バンクシーが作ったDISMALAND(ディズマランド)は、世界の問題をあぶりだしたようなテーマパークだった…..

こちらは、2015年8月21日から9月27日までの約5週間の間、ディズマランドで働いたスタッフだけが入手できる作品で、一般には販売されていない。

Sale Ends V2

  • タイトル: Sale Ends V2
  • サイズ: 縦56cm x 横76cm
  • 制作年: 2017
  • サイン入り
  • エディション: 500

こちらは、バンクシーを中心にグラフィティーアートの新しい流行を作ったオンラインギャラリーPOWこと「Pictures on Walls」が2017年12月にその15年の幕を閉じる記念に抽選で販売された「Sale Ends V2」。

実はこの作品は既に2006年に制作されていたが、諸事情あり、発売されなくなり、11年の時を経て、2017年のPOWの閉店を記念して発売されたバンクシーのアーティスト活動の節目を彩る特別な作品だ。

バンクシー展 in 名古屋が開催決定!

以上、この記事では13作品を紹介したが、人の好みは十人十色。

2021年2月3日〜5月31日、名古屋でもこのバンクシー展が開催されることが決まった。

これから、実際に「バンクシー展 天才か反逆者か」に足を運び、自分のお気に入りの作品を見つけて頂きたい。

コロナの関係でいつになるか分からないが、2021年以降、Banksy(バンクシー)の元代理人スティーブ・ラザリデスが開催するバンクシー展がいつか日本に来るだろうから、

その時に、なかなか見れないレアなオリジナル作品を楽しめるように、今回のバンクシー展を予習として楽しむのも良いかもしれない。

P.S. バンクシー展に行く前に「もっとバンクシーについて予習しておきたい」という方はこちらの記事がオススメ!→バンクシー展 大阪に行く前に知っておきたいBANKSY作品と年表!

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