バンクシーの作品「Barcode」は、今まさに檻(おり)から逃げ出した、恐れ知らずのヒョウを描いた作品です。また、トラック上の檻がバーコードになっています。
バーコードの鉄格子が折り曲げられた様子はヒョウの凶暴さを物語っているのでしょうか?
シンプルだけど、どこか掴み所がないこの絵には、どんなメッセージが込められているのでしょうか?
それでは「Barcode」について、詳しくみていきましょう。
一番最初のBanksy「Barcode」
「Barcode」が最初に登場したのは、バンクシーの故郷「ブリストル」の建物の壁です。ちなみに、この作品は直ぐに当局によって除去されました。
2004年 エディション作品「Barcode」
エディション作品の「Barcode」は2004年に発売。サイン入りが限定150枚。そして、サインなしが600枚の合計750枚が発売。作品左下にある赤いインクのBanksyスタンプの刻印も初期作品によく見られます。
その他、キャンバス作品としても、いくつか「Barcode」が世に出てきています。
Barcode Grey
こちらは背景がグレーのキャンバス作品の「Barcode」です。ちなみに、この画像は2016年にバンクシーの元代理人「スティーブ・ラザリデス」がアムステルダムで開催した個展で展示された時のものです。
オリジナルキャンバス作品「Barcode」
こちらも「Barcode」のキャンバス作品で、背景がネイビーです。
バンクシー「Barcode」作品の意味とは...
2つの車輪とその上のトラック。そして、トラックの上のバーコード形の檻。今まさに檻(おり)を突き破って出てきたようなヒョウ。
一見すると、動物園や水族館、動物を自分達のエンターテイメントだけのために利用する人間への逆襲を描いているように見えます。または、野生動物の違法売買やトラやヒョウなど希少動物の違法捕獲へのメッセージなのかもしれません。
バーコードそのものは70年代中盤に導入されたものです。元々は、消費者の利便性を向上させるのが目的。しかし、そのバーコードをヒョウが逃げ出すことができる檻(おり)として使うことで、バンクシーは人間も大量消費主義の罠から逃げ出せるということをほのめかしているのかも知れません。
いずれにせよ、シンプルな表現から見る人が色んな解釈を膨らませることができるバンクシーの秀逸な作品です。