1.ペストコントロールについて
バンクシーの作品は初期の頃、いろんな面において、統一されていませんでした。
同じタイトルの作品であったとしても、エディションナンバーが左側に入っていたり、右側に入っていたり、また、肝心のエンボススタンプも、Banksyへの注目度が高くなっていく中で(途中から)押されるようになったものなので、当時、エンボススタンプが入っていない方のポスターを購入した人から「これは本物ですか?」というような問い合わせをよく頂きました。
私たちもPOWから直接、購入していた作品なので間違いなく正真正銘の本物だ、ということはわかっていましたし、そうお伝えしていましたが、信じる人もいれば、日本の常識の範疇で考えるとどうしても信じられない、、、と疑う人、いろいろいらっしゃいました。
『100%本物』と確信して安心して購入できるシステムを構築してほしい。購入する側の多くの人はそう思っていたと思うのですが、そんな中、設立されたのがこのPest Control (ペストコントロール) です。
ペストコントロールは『罪の無いコレクター達が大金を叩いてまで、偽物を摑まされないように』と、バンクシーが2008年に元POWのスタッフを連れて設立した認証機関で、ストリートで描いたもの以外の全ての作品(ペーパー、キャンバス、スカルプチャーなど)に関わる真偽を確かめ、保証する機関です。
すでにご存知のことと思いますが、本物と認められたBanksy (バンクシー) のエディション作品には、Banksy 本人が所有する唯一の認証機関、Pest Control (ペストコントロール) が発行するCOA(Certificate of Authenticity)が付属されます。
ただし、COAはBanksyの名が世界中に知られ始める頃から発行されるようになっていった経緯があるため、厳密に言えば、POWから購入しても、一緒にCOAが発行されていない作品も存在します。
その場合、Pest Controlへ申請し、確認が取れるとCOAを発行してくれますが、作品の所有者が過去に複数人いた場合、確認を取るのが難しくなるため、直接、作品をPest Controlへ郵送して、直にチェックしてもらうようになります。
2.作品の技法
ペーパー作品に使われている技法は、まず、シルクスクリーンです。
「シルクスクリーンは、孔版画(こうはんが)の技法の一種であり、インクが通過する穴と、インクが通過しないところを作ることで版画の「版」を製版し、印刷する技法である。」と、ウィキペディアでわかりやすく説明されていますが、皆さんに馴染みがあるもので例えると、シルクスクリーン印刷の仕組みは『プリントゴッコ』です。
毎年末、年賀状制作の時期がくるとデザインを転写して、インクを版にのせて、、、と活躍していたあのプリントゴッコ。今の30代より下の人は今ひとつピンとこないかも知れませんが...。
他には「オイル & エマルジョン」「アクリル & スプレー」で描かれているものもあります。
3.作品の制作年
同じタイトルの作品でも制作年が違う??
2002、2003年から、バンクシーの作品を定期的、また、多数扱ってきたからこそ言えることですが、同じタイトルの作品でも作品に書き込まれている制作年が違う場合があります。
一般的に、作品が仕上がった時点で、全ての枚数にアーティストはサインやエディションナンバーを入れていくのだろう、と思われるかも知れませんが、必ずしもバンクシーはそうではないようで、作品の中には「制作年」を見る限り、作品を出荷する段階で書き込んだのだな、とわかる作品も実際にPOWから購入した作品の中に存在しました。
なので、必ずしも、タイトルと制作年が全て一致する、と言うわけでもないのです。
4.エディション
「1/500」など、分母の数でエディション数を表します。
ざっくり説明すると、その作品が世に出回る枚数を示します。
『エディション:500』と表示されていれば、世に出回る作品枚数は、500枚ということになります。
それとは別に、AP(アーティスト・プルーフの略)というのも存在します。
アーティスト自身やギャラリーが個人的にとっておくための作品だったり、テストプリントといった、作品になる前のテスト段階のものが出回ることもあります。
参考:"レアすぎる" バンクシーの初期頃作品 & テストプリントから、ケイトモスのポスターまで。
5.サイン
エディションナンバーのみ(Unsigned)
バンクシーによるサインは入っていなくて、エディションナンバーだけが入っているものをいいます。
サイン & エディションナンバー入り(Signed)
バンクシーによるサインが入っていて、尚且つ、エディションナンバーも入っているものをいいます。
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