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バンクシー地中海で活動する難民救助船に出資。船にはあの風船と少女の最新作を描く?

日本時間の2020年8月28日、英紙ガーディアンが「バンクシー地中海で難民を助ける救助船に出資」というニュースを伝えた。

その次の日、Banksy(バンクシー)はそのニュースについて詳しく説明するように、自身の公式インスタグラムで、こちらの動画を公開。

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. . mvlouisemichel.org

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LIKE MOST PEOPLE WHO MAKE IT IN THE ART WORLD I BOUGHT A YACHT TO CRUISE THE MED.IT’S A FRENCH NAVY VESSEL.WE CONVERTED INTO A LIFE BOAT.BECAUSE EU AUTHORITIES DELIBERATELYIGNORE DISTRESS CALLS FROM NON-EUROPEANS.

The M.V. LOUISE MICHEL.

ALL BLACK LIVES MATTER

日本語にすると、こんな感じだろうか。

アートの世界で成功した多くの人達のように、地中海をクルーズするためにヨットを購入した。このヨットは、元々フランス海軍の船だ。

我々はこの船を難民救助船に改造した。なぜなら、EU当局のやつらは、EU加盟国以外の人からの、救助要請を意図的に無視しているからだ。

ルイーズ・ミシェル号より、ALL BLACK LIVES MATTER(すべての黒人の命が大切)

*「ALL BLACK LIVES MATTER(すべての黒人の命が大切)」は全米を中心に、世界各地で拡がる「黒人差別への抗議デモ」のスローガン。

なぜ、バンクシーは難民の救助船に出資し、船を寄付したのか?

バンクシーがこれまで欧州の難民危機に関する作品を作り、作品を通じて自身の意見を発信しているのを知っている方も多いだろう。

迫害や貧困、様々な政治的理由で、リビヤなど北アフリカからヨーロッパを目指し、命の危険を冒してまで、地中海を渡る人は後を絶たない。

しかし、バンクシーの動画のメッセージでも説明されているように、これ以上難民を受け入れたく無いEU各国は、たとえ救助要請があったとしても、地中海で溺れかけていたり、漂流している難民を助けようとしない。

さらに、ひどいことに、EU当局は難民を助けようとする船を妨害したり、乗組員を逮捕したり、その船を没収することもあるそうだ。

そこで、人種や国籍に関係なく、地中海で困っている難民を助ける団体の活動を支援し、より多くの命を助けるため、元々フランス海軍の船を購入し、難民救助船「ルイーズ・ミシェル号」に改造したというのが今回の話の経緯だ。

ルイーズ・ミシェル号に描いたハートの救命浮き輪と少女

バンクシーが寄付した救助船「ルイーズ・ミシェル号」には、風船と少女こと「Girl with Balloon」にも登場するあの女の子がライフジャケットを付け、ハート型の救命用の浮き輪を手で掴んでいる新作が描かれている。

ライフジャケットの少女は漂流する難民、ハート型の救命浮き輪は「愛とその難民を助けたい」という強い気持ちを表しているのだろうか。

ちなみに。ルイーズ・ミシェル号の活動に寄付をしたい方は下記のリンクのDonate(寄付をする)というハート型のボタンをクリックすれば、寄付に参加することができる。

ルイーズ・ミシェル号のサイトはこちらをクリック。

船の全長は30メートルで、速さは最高27ノット。バンクシーは自身の作品を売った収益で、この船を購入したそうだ。

船のピンクのデザインは、消化器で装飾している。ルイーズ・ミシェル号に乗船するのはヨーロッパ全土から集められたプロのレスキュー隊で、レスキュー隊には上下関係はなく、みんなヴィーガン(完全菜食主義)だそうだ。

バンクシーの完全なる計画

ドイツ人の船長「ピア・クレンプ」さん。

ルイーズ・ミシェル号の難民救助計画は、2019年の9月に遡る。

バンクシーは、これまでNGOが運行する、いくつもの難民救助船の船長を務め、過去数年間で何千人もの難民を救助してきたドイツ人女性船長「ピア・クレンプ」さんにこんなEメールを送った。

「こんにちはピア。君のニュースを読んだけど。君はすごいね。僕はイギリス出身のアーティストだ。難民危機に関する作品をいくつか作ってきた。当然、そのお金を自分のモノにして持っておくことはできない。だから、このお金を新しい船を買うために使ってくれないか?返事待っています。バンクシーより」

そして、ルイーズ・ミシェル号は2020年8月18日にバレンシア近くのスペインの港町「ブリアナ」から秘密裏に出向、現在は地中海を航海中だそうだ。英紙ガーディアンによると、8月25日に、89人を救助し、その中で女性は14人、子供が4人含まれているという。

計画がヨーロッパ当局に阻止されないよう、バンクシーは最初の救助活動がうまく行った8月25日までは、ルイーズ・ミシェル号について、メディアには一切公開しなかった。

バンクシーが今後展開する最上級のパフォーマンスアート

ここ2−3年のバンクシーの活躍が本当にすごい。

バンクシーの公式インスタグラムのフォロワーが1000万人を越えたり

サルの英議会を描いた作品がサザビーズのオークションで史上最高の13億円で落札されたり

新型コロナと闘う看護師や医療従事者に作品を寄付したり

約1.5億円で落札された作品が落札直後にシュレッダーでビリビリに破られたり

今回のように、自分が難民危機について描いた作品の収益を難民救助船を購入して寄付したりと、バンクシーはこれまで歴史上のアーティストでは考えられなかったパフォーマンスで自身の作品を通して、どんどん発表している。

Banksy(バンクシー)は、これからはどんな作品やどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろう?

アートの歴史(美術史)に次々と新しいページを書き加えていくバンクシーの活動がただただ楽しみだ。

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