バンクシーの作品を購入する前に、これら5つのポイントを押さえることが重要です。
バンクシー作品 こんな販売者に注意!
今からお伝えする内容は、多くの方から質問をいただき、それについて直接、ペストコントロールに問い合わせた内容です。バンクシー本人の意見・考えとして受け取ってください。
ディズマランド(Dismaland)関連のフリーアート
ペストコントロール以外の認証機関が発行したCOA付き作品
COAが付属するストリート作品
まず一つ目は、ディズマランド関連のダンボール作品やフリーアートについてです。
ネット上に多く出回っているのも関係があるかもしれませんが、これらについて、本当にバンクシーの作品であるかどうか(本物であるかどうか)問い合わせが多いです。
ペストコントロールに問い合わせた結果、率直に「そんなものは存在しない」という回答でした。
次に、ペストコントロール以外の認証機関のCOAが付属する作品について。
これについては度々、バンクシー自身が「こういう作品には手を出すな!」 と警告しています。
最後に、COAが付属するストリート作品について。
バンクシーは、ストリートや建物の壁に残した作品にはCOAを発行しません。その理由は元々、違法に路上に作品を描いてるので、COAは発行できません。バンクシー本人もストリート作品にはCOAは発行しないと明言しています。
1. ペストコントロールとは
2008年にバンクシー本人が設立した、バンクシー作品 唯一の認証機関です。
2008年といえば、イギリス国内や欧米ではバンクシー 作品に注目が集まり始めていた頃。その波に乗じ、偽作品も多く出回りはじめるようになりました。さらにその偽作品を高額で掴まされる被害者も続々生まれはじめたため、「罪の無いコレクター達が大金をはたいて偽物を摑まされないように」と バンクシー本人が動いたのが「ペストコントロール」を設立の経緯です。
ペストコントロールはストリートで描いたもの以外の作品、すなわち、「シルクスクリーン」「キャンバス」「スカルプチャー」などの真偽を確認し、認証する役割を果たします。
2000年代前半、バンクシーの作品はいろんな面において統一されていませんでした。まだ、POWから卸売りで、バンクシーの作品を買えていた時代。届いた作品は同じタイトルでも、エディションナンバーが左側や右側に記されていました。
また、肝心のエンボススタンプも、バンクシー(Banksy)への注目度が高くなっていく中で、途中から押されるようになっていきます。
「『100%本物』と安心して購入できるシステムを構築してほしい」そんな購入する側の声を受けて設立されたのがこのペストコントロールなのです。
2. COA(真贋証明書)の重要性
真贋証明書(COA)は、バンクシーの作品が本物であることを証明する重要な書類です。
バンクシー本人が設立した唯一の認証機関 ペストコントロールが発行するこれらの証明書は、本物と認められたバンクシー(Banksy)の作品にのみ、COA(Certificate of Authenticity)が発行されます。
バンクシー自身も「作品を購入するときは、ペストコントロール発行のCOAが付属することが絶対条件」と記しています。
3. バンクシー作品の技法
バンクシーのペーパー作品には主にシルクスクリーン印刷が使用されています。
「シルクスクリーンは、孔版画(こうはんが)技法の一種であり、インクが通過する穴と、インクが通過しないところを作ることで版画の「版」を製版し、印刷する技法である」と説明されますが、印刷の仕組みはプリントゴッコと同じです。
毎年末、年賀状制作の時期がくるとデザインを熱転写して、版にインクをのせて、、、と各家庭で活躍していたあのプリントゴッコ。今の40代より下の人は今ひとつピンとこないかも知れないですね。
他の技法としては「オイル & エマルジョン」や「アクリル & スプレー」があります。
4. バンクシー作品の制作年とエディションナンバー
同じタイトルの作品でも制作年が違う??
2002、2003年から、バンクシーの作品を定期的に多数、販売してきたからこそ言えることなのですが、同じタイトルの作品でも作品に書き込まれている制作年が違う場合があります。
作品が仕上がった時点で、アーティストがすべての枚数にサインやエディションナンバーを書き込んでいくのだろう、と思われるかも知れませんが、必ずしもそうでなかったようです。作品の中には、作品を出荷する段階で書き込んだのだな、とわかる作品も存在していました。
なので、必ずしも、タイトルと制作年が全て一致する、と言うわけでもなく、けっこうアバウトにやっていた印象があります。
エディションナンバー
「1/500」など、分母の数でエディション数(作品が世に出回る枚数)を表します。
『エディション:500』と表示されていれば、世に出回る作品枚数は、500枚ということ。
他に AP(アーティスト・プルーフの略)というのもあります。アーティスト自身やギャラリーが個人的にとっておくための作品だったり、テストプリントといった、作品になる前のテスト段階のものが出回ることもあります。
参考:"レアすぎる" バンクシーの初期頃作品 & テストプリントから、ケイトモスのポスターまで。
5. サイン
バンクシーの作品は、サインの有無で価値が大きく異なる場合があります。サインがある場合とない場合で、作品の価値を見極めましょう。
エディションナンバーのみ(Unsigned)
バンクシーによるサインは記されておらず、エディションナンバーだけが記されている。
サイン & エディションナンバー入り(Signed)
バンクシーによるサインもエディションナンバーも両方記されている。