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バンクシー 偽10ポンド札「Di-Faced Tenner」が正式に大英博物館へ仲間入り! 

2019-02-16


2019年2月1日、 英紙ガーディアンでこんな内容の記事が出ました。

 2004年 制作の故ダイアナ妃の顔で作った偽10ポンド紙幣「Di-faced Tenner」が公式に大英博物館のコレクションに仲間入り!

もちろん、バンクシーが無断で展示したわけではありません。大英博物館側が正式に所蔵したんです。

本物の10ポンド紙幣には、Bank of England(=イングランド銀行)と印刷。しかし、バンクシーの「Di-Faced Tenner」には「Banksy of England(=イングランドのバンクシー)」と印刷されています。

また、大英博物館のモダン・マネーのキュレーター「Tom Hockenhull氏」は 英紙ガーディアンのインタビューで次のように話しています。

長年の間、「パロディー紙幣」のコレクションに、この「Di-Faced Tenner」を加えようと頑張っていたが、バンクシーの代理人を通じてやっと本物が入手できた。

https://www.theguardian.com/artanddesign/2019/feb/01/banksy-donates-fake-bank-note-artwork-to-the-british-museum

こうして、バンクシーの「Di-Faced Tenner」は大英博物館の硬貨、メダル、紙幣と同じコレクションに収蔵されるそうです。

そう、これから大英博物館でバンクシーの作品が正式に観れるということです

現時点で近々に展示される予定はないらしいが、ロンドンへ立ち寄る機会があったら、ぜひ大英博物館を訪れて見てきて欲しいです。

覚えていますか? 2018年、英サザビーズで落札直後にシュレッダーで細断されたあの作品とその後.....

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2018年10月、英サザビーズでBanksyの作品「Girl with Balloon」が落札。その直後、バンクシーが秘密裏に額縁内に仕込んでいたシュレッダーが動き、約1億5000万円で落札されたばかりの作品が大勢が見守る中、シュレッダーを通り、細断されていきました。

さらに詳しく知りたい...という方はこちらの記事でご確認を。

Love is in the bin の誕生。

落札直後に細断された作品は、バンクシーによって「Love is in the bin」と名付けれられました。

奇跡的に、途中でシュレッダーが止まってしまいました... しかし、バンクシーの当初の計画では、最後まで作品がシュレッダーにかかり細断されるはずだったそうです。

「このパフォーマンスで、作品の価値がさらに上がるだろう。落札者はこの作品をこれからどう扱うのか?」と、一部で言われていましたが結局、落札したヨーロッパ在住の女性コレクターがそのまま購入することになりました...

バンクシー「Love is in the bin」がドイツのフリーダ・ブルダ美術館に展示

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その「Love is in the bin」はドイツ南西部バーデン・バーデンの美術館「フリーダ・ブルダ美術館(Frieder Burda Museum)」で、展示されました。

ここで少し横道へそれてしまいますが、フリーダ・ブルダ美術館の近くには、グラフィティアーティスト、クンストラーゼン(Kunstrasen)のスタジオもあります。彼のスタジオへお邪魔した際にクンストラーゼンと一緒に訪れた美術館でもあります。

現代アートの巨匠の作品も展示する美術館

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この美術館を訪れた時、ドイツ人写真家・現代アートの巨匠「アンドレアス・グルスキー」の写真展が開催中でした。

ライン川 II(1999年)- アンドレアス・グルスキー

アンドレアス・グルスキーと言えば、地球上で撮影された全ての写真の中で史上最高額(430万ドル)で落札された「ライン川 II(1999年)」で有名です。

そして 「ライン川 II」もこの写真展に展示されていました。

壮大な世界観... そして、各自がそれぞれの経験、記憶、写真を見て感じることをレイヤーのように重ね合わせ、それぞれの作品を心の中で作り上げていく... そんな印象深い作品が多かったのを覚えています。

なぜここでこんな話をしたかというと、

バンクシーは現代アートの世界に着実に認められ、アートの歴史に名を刻み続けている。

その事実を伝えたかったからです。

大英博物館のコレクションに偽10ポンド札「Di-Faced Tenner」が収蔵されました。今はまだ、展示予定はない、とのことですがいずれパロディー紙幣の所蔵品と共にバンクシーの紙幣が飾られる時も来るでしょう。

本来、グラフィティアートが飾られることはなかった「大英博物館」が正式にバンクシーの代理人からこの紙幣を手に入れました。

サザビーズ・オークションで落札直後、シュレッダーを通った「Love is in the Bin」はドイツの現代アート美術館「フリーダ・ブルダ美術館」で展示されました。

アンドレアス・グルスキー、ジャクソン・ポロックやマーク・ロスコのような現代アート作品が展示される現代アート美術館「フリーダ・ブルダ美術館」に作品が展示されたということは、どういうことでしょうか?

この2つの事例だけを見ても、現代アートの世界が、かつて落書き行為により警察に追われていたバンクシーの作品を好意的に迎え入れようとしているのがわかるし、そして、そこにバンクシー作品への関心の高まりが垣間見れます。

2019年以降、Banksy 作品の価格はどうなっていくのか? 作品購入を考えている方へ

これまでのBanksy(バンクシー)作品の価格の流れを見てみると、大きなパフォーマンスがあった後、作品価格も上がる傾向です。

2005年、MOMAにアンディ・ウォーホルへのオマージュ作品「Soup Can」を無断で展示した直後もそう。(大英博物館やルーブル美術館など他の美術館にも侵入して作品を無断展示。)

2015年、ディズニーランドを皮肉った、憂鬱になるテーマパーク「ディズマランド」を開園したときも同じです。

先ほども紹介した、オークション落札直後に落札された作品がシュレッダーに掛かってしまうという前代未聞のパフォーマンスによって生まれた作品「Love is in the Bin」の直後もかなりの勢いでバンクシー作品の市場価格が上がりました。

現代アート界とバンクシーの関係とは

バンクシーの意図とは別に、現代アートの世界はどんどんバンクシーを取り込もうとしています。

これまでピカソやアンディ・ウォーホル、ダリなど高額作品を購入していた現代アートコレクターがバンクシー作品に興味を持ち出し、2019年もバンクシー作品の市場価格がじわじわと少しずつ上がっていく流れが続いていくと予想されます。

そして、また、バンクシーがひとたびパフォーマンスを起こせば、作品価格はさらなる上昇を見せるでしょう。

P.S.
余談ですがバーデン・バーデンまでは、フランクフルトから電車で3時間程で行けます。そして、歩いて10分くらいのところには水着で入るスパ、素っ裸で入るお風呂、2種類のスパで楽しめて、帰りにはスパの前にあるバーで楽しめます。

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