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バンクシーの最新作は刑務所から脱獄するオスカー・ワイルド?

2021-03-05

2021年3月1日、英南部の街レディングの元刑務所の壁にバンクシーの作品らしき壁画が突如現れた。

その作品が「バンクシーの最新作なのでは?」と、大手メディアやSNSで噂になっていた。

現地時間2021年3月4日、バンクシーが自身の公式インスタグラムで、この作品の制作風景を紹介する3分弱の動画を公開したことで、バンクシーの最新作であることが判明!

こちらが実際にインスタグラムに投稿された動画。

 
 
 
 
 
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バンクシーが投稿した動画には...

バンクシーが投稿した動画は故ボブ・ロス氏の解説に沿って、バンクシーが自身の作品を制作する様子が紹介される構成になっている。

ボブ・ロス氏はアメリカの画家で、1983~94年に放送されていた「The Joy of Painting」というアメリカの人気教育番組で、絵の描きかたを教えていた。

動画の中では、ハシゴを運び、ステンシルの型紙を壁に貼り付け、壁にスプレーする映像が流れる。

次に、ヘッドライトを装着し、絵の細かい部分にローラーを使い、最後に黒いマーカーで壁画を仕上げている様子が映し出されている。

作品解説 - 脱獄犯は詩人/劇作家のオスカー・ワイルド?

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今回のバンクシーの壁画「Create Escape」には、モノクロで描かれたタイプライターのペーパーで作ったロープにぶら下がり、刑務所の壁から脱獄する男を描いている。

英南部の街レディングの2013年に閉鎖したこの刑務所は、有名な詩人・劇作家の「オスカー・ワイルド」が当時違法だった同性愛で1895年〜1897年の2年間投獄されていたことで有名だ。

作中にタイプライターが描かれていることを考えると、作品に描かれた脱獄犯はオスカー・ワイルドだろう。

オスカー・ワイルドと刑務所内の画像

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バンクシーの新作「Create Escape」の意味って...

「Prison Gaol」とも呼ばれているこの元刑務所施設はイギリスの法務省(政府)が所有している建物で、2019年から英政府により不動産開発業者に売りに出されていた。

住宅を建設する契約が決まりそうな時期もあったが、頓挫してしまった。

その一方で、レディングの自治体と地元民の間に、この元刑務所をアート関連の施設に建て替えようとするキャンペーンがあった。

今回のバンクシーの新作は元刑務所をアート関連施設に建て替えへの支持表明なのかもしれない。

「Create Escape=創り出し、逃げる」は、元刑務所からアート関連施設を「創り出し」、文化的にはなんの意味のない、不動産建設から「逃げる」というメッセージなのだろうか、

地元民はすごく喜んでおり、レディングの自治体は「バンクシーの作品を保護するよう」法務省に要求しているそうだ。

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