この記事では2025年のバンクシー作品の価格がどうなるか予想して行きます。2025年も既に5月になってしまいましたが、気にせず行きます。
2024年はバンクシーが残した作品数こそ少なかったものの、9月に突如として発表されたロンドン動物園シリーズによって、インパクトある一年となりました。
詳しくはこちら→バンクシーはなぜロンドン動物園シリーズ作品を描いたのか?
ここでは、2024年の流れを踏まえつつ、2025年の価格はどう動くのか?
オリジナル作品とエディション作品それぞれの相場感を整理しながら、今が“買い時”なのかを読み解いていきます。
バンクシー人気は2025年も継続か?
2024年のバンクシー人気は安定的に継続といった様相でした。
公式Instagramのフォロワー数も1,300万人を超え、目立った急増こそなかったものの、着実に人気が続いています。
新作が発表されるたび、作品がボムされた現地にはファンが殺到。そして、SNSに投稿された写真は瞬く間に拡散され、さらに“いいね”やシェアを競うように広まります。またさらに、バンクシー作品はメディア報道も巻き込みながら世界中で拡散されていきます。
この一連の流れは2025年に入っても変わらず続いていきそうです。バンクシー人気は今後もゆるやかに、しかし確実に継続していくと見て良さそうです。
バンクシー、オリジナル作品の価格

2024年、バンクシーのオリジナル作品に目立った価格変動はありませんでした。歴代の高額落札記録にも新たな動きはなく、全体的に現代アート市場の停滞が映し出された一年でした。
しかし、ひとつ注目すべき出来事があります。2025年3月にサザビーズで出品されたバンクシー作品「Crude Oil」(ジャック・ベトリアーノの代表作「The Singing Butler」へのオマージュ作品)が出品。約8億円(426万ポンド)で落札され、歴代オークション価格ランキングで13位にランクインしました。
これは、高額落札トップ10には届かなかったものの、バンクシーの作品に対する関心が一定の水準で維持されている証拠でもあります。
バンクシー、エディション作品の価格

2024年のエディション作品(サイン入り/なし)の相場は全体的に落ち着いたままでした。
また、その背景には、2024年のアメリカ大統領選挙前の不安定な経済状況がありました。
コレクターの様子見ムードが続いたことで、作品タイトルによっては価格が下落するケースも見られました。
2025年はバンクシー作品購入のチャンスなのか...
コロナ禍で世界的な補助金ばら撒きの影響もあり空前のアートブームが起きました。コロナバブルで新たに注目を浴びたアーティストも多く登場。バンクシーのみならず、多くのアーティストの作品が脚光を浴び、価格もつられて高騰。
コロナ禍以降、バンクシー作品の価格は世界経済の動向と似た動きをするようになっています。
そして、トランプの大統領就任以降、急な関税の発動など先の読めない経済政策で、米国経済は先が読みづらくなっています。それに合わせてか、2025年のバンクシー作品価格にまだあまり勢いはありません。
2025年の価格動向のカギは「トランプ政権の経済政策」?

2025年のバンクシー作品価格を予想する上で、もっとも大きな影響を与えるのがトランプ政権による予測不能な経済政策です。
実際に、関税の突然の発動や不確実な財政政策が相次ぎ、アメリカ経済全体の見通しが不透明な状況となっています。こうした先行きの見えない環境では、リスク回避姿勢が強まり、バンクシーのような高額アート作品への資金流入が鈍くなる傾向にあります。
とはいえ、もしトランプ政権が景気刺激策に成功し、経済全体が上向けば、再びバンクシー作品にもマネーが流れ込み、価格上昇の可能性は十分あります。
今は買い時?2025年は“静かにチャンスが巡る”年
2025年4月現在、バンクシー作品の価格は総じて大きな変化は見られません。
一部タイトルでは、2024年より価格が若干下がっているケースもあります。その理由としては、自分が所有するバンクシー作品をできるだけ早く現金化したい...というコレクターが一定数いるからでしょう。
このような時期こそ、人気作品を適正価格で手に入れられる絶好のタイミングとも言えます。
お得感のある人気タイトルは今でも変わらず、すぐ売れる
実際、市場に出た「お得感のある人気作品」は、今でも変わらず即完売になることが多く、“価格の勢い”がなくとも本質的な需要は根強く存在しています。コロナ禍のアートバブルが異常だっただけで、元の状態に戻ったのかも知れません。
価格が動かない今こそ「好きな作品」を手に入れる大チャンス!
2025年、バンクシー作品の価格は一見すると落ち着いて見えます。しかし、それは「今はまだ静かな買い時」であることの裏返しでもあります。
特に、好きなバンクシー作品が予算内で、適正な状態で市場に出てきたなら -- それは10年後、20年後に「あの時、良いタイミングで手に入れられて本当に良かった」と思える買い物になるかもしれません。