Banksy(バンクシー)は2020年2月14日のバレンタインデーの前日、自身の故郷とも言われる英西部の街ブリストルに最新作を残した。
しかし、この最新作は何者かによって、たった2日で破壊されてしまった。
えっバンクシーのバレンタインデーの作品って何のこと?知らない?という方は右のリンクをクリック。バンクシー バレンタインデーに花束を!
バンクシーが作品・壁画をストリートに残したあと、他のアーティストがその作品を上書き破壊したり、高額で転売するために勝手に壁ごと切り取られてしまうのはこれまでもよくあったことだ。
しかし、バンクシーはこのバレンタイン作品の破壊行為に対して自身の公式インスタグラムでこんな投稿をした。
コメント欄にはこう書いている。
I’m kind of glad that the piece in Barton Hill got vandalized. The initial sketch was a lot better.
バートンヒルに残した作品が破壊されて、どこかホッとしている。はじめのスケッチの方が断然良かった。
バンクシーが本当に残したかった作品とは.....?
左が初めのスケッチ、右が今回ボムした最新作。
この上の画像は、バンクシーが今回の投稿でアップしたうちの3枚目の画像だ。
左が初めに考えていたスケッチで、右が実際にブリストルのバートン・ヒル地区の民家に残した作品と同じものだ。
左はバンクシーの代表作、お花のブーケを投げる暴徒「Love is in the Air」と同じように、少女はバンダナで口元を隠しているが、右側の今回実際に使った少女はバンダナを首元でスカーフのように巻いているように見える。
バンクシーは少女の口元をバンダナで隠し、攻撃的な感じと少女のあどけなさを同居させたくて、自身の代表作「Love is in the Air」と関連性を持たせたかったのかも知れない。
結局、バンクシーの意図がわかるのはバンクシーだけしかいないが....少女の感情がもっと浮き立つように描きたかったのかも知れない。
バンクシーもたまにはミスをする。
ここまで人気があり、ここまで誰にも正体がバレない完璧なバンクシーでもたまに失敗すると聞くと、どこか人間味が感じられ、また好きになってしまう。
以前も、バンクシーが主に作品を発売していた今は無きオンラインギャラリー POW(Pictures on Walls)が2017年12月に閉店する時にも、バンクシーの人気作品として名高い、映画パルプフィクションをもじった作品「Pulp Fiction」について、
作品を発売後に、全て回収したくなったけど、時既に遅しで回収できなかった
と自身の作品の失敗談について語っていたことがある。
作品が破壊されて逆に良かった!
今回は作品の登場からたった2日で、誰かがわざわざ、作品を保護するための保護グラスを力づくで剥がし、作品に上書きして破壊した。
しかも、落書きの内容はBCC Wanker(ブリストルの市議会、オナ●ーアホ野郎!)と、極めてしょうもない落書きだったが、作品の選定ミスをしてしまったバンクシーにとっては、ラッキーな惨事だったようだ。
こちらのブログにも、来月、2020年3月から横浜で始まる日本初大規模バンクシー展を前に、バンクシー作品の問い合わせがさらに増えてきている。
バンクシー展が始まったら、日本でのバンクシー人気はさらに加速しそうだ。