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バンクシー 聖母マリアとキリストの新作が公開!

2024-12-17

2024年12月16日、バンクシーは自身のインスタグラムで最新作を公開しました。

実際の投稿がこちらです。

作品のコメント欄には何も書かれていません。そして、周りの風景が写っていないので、どこに作品が残されたかもまだわかっていないようです。Pest Controlに問い合わせても、作品の場所についての回答はまだです。

銃弾で撃たれた聖母マリアとキリスト?

作品に描かれたのは聖母マリアとその子供のイエス・キリスト。そして、キリストは母乳を与える母マリアをどこか不安げに見つめています。マリアの胸元の穴と下に垂れたサビ。それは、母の胸が銃弾で撃たれ、血がにじみ出てるようにも見えます。

この新作は、錆び付いて穴がたくさんある金属板のようなものに描かれています。錆びつき、穴だらけで風化した金属板は、聖母マリアの穏やかな表情と鋭い対比を成し、作品に重い感情的な深みを与えています。

金属板の錆びた穴の部分に母マリアの胸に重ねて描くことで、パレスチナで今も行われるハマス・イスラエル戦争の惨状を伝えているのでしょうか。もしくは、これまでの20年間、パレスチナで作品を何度も残し、「The Walled Off Hotel」というホテルまで建てたバンクシーだからこそ、パレスチナ・ガザ地区の惨状を改めて伝えたかったのかも知れません。

なお、バンクシーのこの最新作は「聖母と牛乳」という宗教画をベースにしています。

レオナルド・ダ・ヴィンチ 聖母と牛乳

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バンクシーはこれまでにも聖母マリアとキリストを描いた作品をいくつか残しています。なお、その中でも一番有名な作品が「Toxic Mary」です。

エディション作品「2003 Toxic Mary(Virgin Mary) 」

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こちらもまた「聖母子像」をバンクシー独自の解釈で表現した作品です。

この「Toxic Mary」は2003年にロンドンで開催された伝説のゲリラエキシビション「Turf War」で展示、販売された作品です。

聖母マリアが子供のイエス・キリストに哺乳瓶でミルクを与えるはずが、毒を与えています。また、哺乳瓶にドクロマークが入っているのも、奇妙です。マリアとキリストからドリップしたペイントが消えそうな2人の姿を引き立てています。

ちなみに、この「Toxic Mary」は今も購入可能です→ バンクシー「Toxic Mary」の作品ページはこちら。

聖母子像と無限に広がる作品の意味

作品に描かれた母乳を与える母マリアの愛情.... そして、作品が描かれた、穴だらけで錆び付き、風化した金属素材... 愛情と腐食、この2つの対比が1つの作品の上で絶妙に表現されています。なお、この相対する表現を組み合わせることで、作品を見る人に無限の意味と解釈を与えています。

あなたはこの作品をどのように解釈しますか?今後、また、この作品の詳細についての発表があれば、このブログで紹介します。

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