2019年6月11日、Banksy(バンクシー)は、自身公式インスタグラムに、こんな投稿をアップした。
投稿のコメント欄には、「Archway Salvaged from Heathrow Airport=ヒースロー空港で実際に使用されていた税関のゲート」とだけ書かれている。
ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ251回目のサマー・エキシビションが開催中
バンクシーはロイヤル・アカデミー・オブ・アーツこと英国王立芸術院が主催する第251回目のサマー・エキシビションに、最新作「Keep Ou」を展示している。
このサマーエキシビションは1768年から1年も途切れることなく毎年開催されている伝統と歴史ある展覧会だ。
バンクシー最新作「Keep Ou(T)」はどんな作品?
ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの公式サイトによると、今作品は、実際にヒースロー空港で使用されていたゲート、シャッター、そして、スプレーペイントで製作されている。
税関ゲートは、元々イギリスに到着したEU市民が使用するもので、ゲートはシャッターで閉じられ、そのシャッターには「Keep OU(T)」=立ち入り禁止とスプレーペイントされている。
Tで鍵を破壊するネズミ
バンクシー作品を象徴するモチーフのネズミがシャッターを施錠している鍵をTで破壊しようとしている。
「Keep Ou(T)」は、今まさに、英国全体を揺るがすブレクジット(英国のEU離脱問題)問題に反対する作品だ。
バンクシーはこれまでにも、ブレクジットを批判する作品を残している、その一つが2017年にドーバー海峡近くの壁に残したこちらの作品。
展示中の「Keep Ou」が購入可能?
サマー・エキシビションでは、一般公募から選出された作品が展示され、来場者は、作品を鑑賞できるだけでなく、作品を購入することもできる。(一部を除く。)
なんと、買おうと思えば、今回のバンクシーの作品だって購入できる。
購入手順は簡単、こちらのリンクをクリックし、必要情報を英語で記入すると、詳細情報が送られてくる。
もしくは、エキシビション会場で、担当の方に聞けば、購入できるらしい。
実は、去年もサマーエキシビションに作品を展示していたバンクシー
去年のサマーエキシビションは、英サザビーズで約1億5千万で落札された「Girl with Balloon」がズタズタに裁断されたパフォーマンス。 小池都知事の「都内のネズミ」ツイートなど、国内でのバンクシー人気が爆発する前ということもあり、まだ注目する国内メディアも少なかったが、
バンクシーは去年のサマーエキシビションに「Bryan S Gaakman」という偽名を使って、一般応募に参加。
そして、結果は見事に落選。
しかし、その一ヶ月後、サマーエキシビションのコーディネーター「グレイソン・ペリー」から「何か作品を展示してくれないか?」と依頼があり、同じ作品を送ると、サマーエキシビションに展示されることが決まった。
去年、展示した作品「Vote to Love」は、ブレクジット国民投票の際に、イギリス独立党が使用していたプラカードのスローガン「Vote to Leave」(EU離脱に投票!)をもじって「Vote to Love」(愛に投票を)と変えている。
ちなみに、去年の展示作品「Vote to Love」には、3億5000万ポンド(約500億円)という、少し非現実的な価格が付けられていた。
*50年後にバンクシーの作品に500億円という価格が付いていても、あまり驚かない数字ではあるが....
8月12日までなら、生でバンクシーのオリジナル作品が観れる!
ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツが主催する、サマーエキシビションは、6月10日〜8月12日まで開催されている。
ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツはロンドンの中心地、ピカデリー・サーカス駅から歩いて、5分程度。
もし、仕事や旅行で、ロンドンに行く予定があるなら、是非、バンクシーのオリジナル作品を生で見て欲しい。