[mks_icon icon="fa-clock-o" color="#7c7c7c" type="fa"] Original : 2017/05/09
2017年5月7日(日) のちょうど夜が明けた頃、イギリス南部の港町ドーバーのビルの壁にEUの欧州旗と思われる大きな旗が姿を現した。
「その星はやっぱり、イギリス?」
作業員によって、無残にも削り取られていく一つの星。それはイギリスを象徴したものと見るべきなのだろう。
イギリスでは政府が一枚岩となってEUの離脱交渉に備えるべく、解散総選挙が行われる。今はそのための選挙運動が繰り広げられている最中だ。
ミューラルの向こうに見えるのはフェリーターミナル
2016年、EU離脱の是非を問う国民投票の際、ドーバーが取った立場は「脱EU」だった。
ドーバーはフランス北部の街カレーと行き来する港町。この壁画がボム(Bomb)された場所も、フランス、カレーから来るフェリーが停泊するフェリーターミナルの近くで、カレーからドーバーに来る人、ドーバーからカレーに向かう人が目にしやすい位置にある。
2015年、イギリスの北サマセットにあるウエストン・スーパー・メアー(Weston-super-Mare) で、ひと夏限定で開催された Banksyの遊園地 Dismaland (ディズマランド) では、閉園後、不要になった廃材やスタッフ用のフーディーなんかをカレーの難民キャンプに寄付したりしている。
イギリスのフランス大使館前にはコゼット (レ・ミゼラブル) が涙を流すミューラルを描いたり、イスラエルとパレスチナを隔てる分離壁の前に『世界一、眺めの悪いホテル』と題したホテル「The Walled Off Hotel」をオープンさせたり、そして、今回のドーバーへのEU欧州旗。
ヴァンダリズムに身を投じたかつての若者は今も変わらない。