先月初め、Banksyがサザビーズで約1億5千万で落札された作品を、シュレッダーでビリビリに細断し、世界中を震撼させた事件から約1ヶ月が経ちました。
そして、先週末の11月3日(土)、Banksy(バンクシー)は自身の公式インスタグラムで、2017年3月にパレスチナとイスラエルを分ける分離壁の前にオープンした「The Walled Off Hotel」の宣伝のため、ロンドンで開催される観光国際見本市「World Travel Market」に出展することを発表。
その時のBanksyの投稿がこちら
↓
https://www.instagram.com/p/BprkQBplwQ4/
この投稿のコメントで、Banksyはこう書いてます。
“Opening my first ever stall at a trade fair next week. I’ve painted a replica separation barrier to promote the Walled Off hotel, ironically the neighbours have complained it’s too tall. We’ll be at the Palestine stand giving away free stuff, World Travel Fair, London Excel centre 6th and 7th November. Free to get in if you register online today and pretend to be a travel agent.” Banksy
日本語にすると、こんな感じでしょうか。
来週、「The Walled Off Hotel」の宣伝のため、人生で初めて国際見本市にブースを出展することになった。出展に向けて、パレスチナにある分離壁のレプリカも製作した。
皮肉にも、隣のブースの奴らは、レプリカの分離壁がデカすぎると文句を言っている。出展するのはパレスチナのブースで、無料のポスターやグッズを配布する。場所はロンドンのエクセルという見本市の「World Travel Fair」の会場で、11月6日〜7日まで開催される。
旅行代理店のふりをして、登録すれば、会場には無料で入れるぜ。
パレスチナの分離壁に描いたBanksy作品
今回、Banksyが製作したパレスチナ分離壁のレプリカ
左側の壁をこじ開けるユダヤ教のキッパーを被った天使はイスラエル、右側のバンダナで口元を隠す天使はパレスチナを表しています。
パレスチナのブースにある「The Walled Off Hotel」
当日の見本市の会場の様子は?
Banksyが"The Walled Off Hotel"のブースを出展した見本市の会場はロンドン・テムズ川のほとりにある展覧会センターの「エクセル」。
(学生の時、当時、ロンドンで働いていたバーの仕事で、この会場に1度行ったことがあるので、個人的には懐かしい場所です。)
当日の会場の様子がどんなものか、実際にこの見本市に足を運んだ、いつも取引をしているイギリスのギャラリーのオーナーに話を聞きました。
彼は、「6日、この国際観光見本市が開場すると、大勢の人が会場に一気に押し寄せ、通路を塞ぐほどの人で溢れかえった。Banksyが無料で配布するグッズに群がる人達で一時、混乱していた」と話していました。
Banksyは無料のポスターを会場で配布
Banksyは会場で1日1000枚限定でこのポスターを配布することを見本市の当日に発表。2日間で合計2000枚のポスターを配布したことになります。
https://www.instagram.com/p/Bp2R2QBlT5S/
パレスチナの現状について知ってほしい!
「The Walled Off Hotel」ホテルの支配人「Wissam Salsa」によると、
バンクシーが製作したこの分離壁のレプリカは「壊れたようなボロボロな状態で作られているが、それは、この壁は(イスラエルとパレスチナを分ける分離壁)いつかは崩れ去る」というバンクシーのメッセージを表している、と話しています。
会場内の様子を撮った動画はこちら。
↓
国際観光見本市にわざわざ出展するのも.... 無料でポスターを配布したのも.... パレスチナの分離壁に描いた自身の作品のレプリカを製作し、展示したのも....
すべては世界中の人の関心を惹きつけ、自分のメッセージを伝えるため....
今までに見たことも聞いたこともないやり方で、自分の目的は絶対に達成する... それがバンクシーのやり方なのかも知れません。
世界一眺めの悪いホテル「The Walled Off Hotel」の記事はこちらからご覧になれます。