読売新聞がバンクシーの公式ウェブサイトを通じて取材を申し込んだらしい。
しかし、「路上の作品について本物かどうかは認証しない。バンクシーが手がけたとの確認を与えることはできない」との回答がメールであったそうだ。
つまり、バンクシーは今回の作品を本物と認めないということだ。前記事(東京に現れたバンクシーのネズミは本物か?独自に検証してみた結果、すごいことが判明!)でも書いたが、バンクシーはストリート作品を認証しないし、これまでも認証していない。(COAを発行しない)
なぜなら、「バンクシー作品の認証機関である「Pest Control=ペストコントロール」は合法的なアート作品のみを取り扱い、いかなる違法行為にも関与しない。」と明言しているからだ。
東京に現れたバンクシーのネズミを本物の作品と認めさせる方法
もし、あなたがバンクシー好きなら、すでにご存知のことと思うがバンクシーがストリートに残していくグラフィティアートは暗黙の了解で認められているのであって、本人が認めているわけではない。
なぜなら、単純に公共(私有)の建物に絵を描くことは法を犯した罪を認めることになるからだ。
もちろん、バンクシーが反資本主義という信条のため、自分がストリートに残したグラフィティアートを壁ごと切り取り、オークションハウスへ勝手に出品されたり、プライベート間の取引で何千万円という額で売買されるのをみすみす容認したくない、という理由もあるだろう。
小池都知事に提案。
バンクシーが東京に残して行ったかも知れないネズミの落とし前の付け方。
バンクシーがストリートに残していったグラフィティアート(=落書き)が、バンクシーの作品と認められるには2つの方法がある。
1, バンクシーの公式サイトや公式インスタアカウントに登場する。
2, バンクシーの著作物に登場する。(本、ドキュメンタリー、映画)
→ 今回の場合、公式サイト、本、映画、そのどれにも出ている。

小池都知事へ 落とし前の付け方 ステップ1
小池都知事がツイートした写真のバンクシーのネズミ(=アンブレラ・ラットUmbrella Rat)が、バンクシーの公式サイトに登場したネズミと一緒だということを画像を照合させて科学的に証明する。
一部報道で、同じデザインのネズミのステンシルの型紙が販売されているとあったが、誰かがいたずらでバンクシーを真似て、ステンシルするにしても、まったく同じサイズのステンシルの型紙を使ったとしても、ボルトとネズミの位置関係まで合わせることは至難の技だ。同じボルト幅のロケーションを見つけるなんて不可能なことだ。
小池都知事へ 落とし前の付け方 ステップ2
1990年代から2009年までバンクシーの代理人を務めたスティーブ・ラザリデスに本物だと認めてもらう。写真家だったスティーブ・ラザリデスは、自身のコネクションを生かし、バンクシーのエキシビションやショーを影で支えた立役者といってもいい人物だ。
その、ラザリデス本人にこの東京ネズミがバンクシーのものだと認めてもらえれば、もう本物だと認められたようなものだ。
今回のネズミはバンクシーが2006年に発売した本「Wall & Piece」に登場している。ということは、まだスティーブ・ラザリデスがバンクシーの代理人をしている期間に描いたものだから、彼が知っている確率は高い。
小池都知事へ 落とし前の付け方 ステップ3
The Art of Banksy.Jpを立上げるキッカケとなったエキシビション「The Art of Banksy」は、バンクシーの元代理人スティーブ・ラザリデスがキュレーターとしてバンクシー作品を展示しているバンクシー非公認にして最大のエキシビションだ。
「The Art of Banksy」は2016年から始まり、イスタンブール、アムステルダム、ベルリン、ブリュッセル、メルボルン、トロントなど世界中を回って、現在はマイアミで開催中だ。
スティーブ・ラザリデスに、その「The Art of Banksy」を東京で開催してもらうよう依頼し、「The Art of Banksy Tokyo」を開催してもらう。
ラザリデスが認めた東京のネズミを「The Art Of Banksy トーキョー」に展示することで、そのネズミを社会的に認めさせることができると思う。
同じような状況下に置かれた作品は他にもある...。
今回のことをきっかけに、バンクシーのエキシビションを東京に呼んで欲しい。そして、「アート後進国」と揶揄される日本の現状を変えて行く、ちょうど良い時期に来ていると思う。