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バンクシーあのチンパンジーの作品がサザビーズ・オークションで13億円越えの過去最高落札額を記録!

2019-10-04

日本時間10月4日、ロンドン・サザビーズのイブニング・オークションでBanksy(バンクシー)過去最大級の作品「Devolved Parliament」がオークションに掛けられた。

チンパンジーに扮した英国下院の議員達を描いたこの作品の予想落札額は、日本円にして約2億円〜2億6000万円(150万ポンド〜200万ポンド)。

落札結果はなんと、約13億円!(987万9500ポンド)

予想落札額の5倍以上を越え、バンクシーのアーティストとしての歴史の中で過去最高額で落札された。

「Devolved Parliament」ってどんな作品?

  • 制作年: 2009年.
  • サイズ:276cm x 446cm (額装時).
  • 技法:オイル on キャンバス.
  • サイン:あり.
  • Pest ControlのCOA付き.

2009年、バンクシーの故郷ブリストルで行われた伝説のエキシビション「Banksy vs Bristol Museum」に合わせて、初めて製作、展示。

今年(2019年)の3月〜9月の間、「Banksy vs Bristol Museum」開催10周年を記念して、ブリストル美術館に展示されていた。

いくつかのメディアではこの作品を「10月31日に迫った欧州連合(EU)離脱・ブレクジットを巡る英国について描いた」と書く人がいるが、この作品が制作された2009年にはEU離脱問題はまだ表面化していなかったので、それは違う。

今作品のタイトル「Devolved Parliament」を日本語にすると「分離された国会」と訳せるかもしれない。

「アイルランド国境問題」「欧州離脱後、英国がどういう方向に進んでいくのか、全然決まっていない分裂した国会」など、どのことを指しているのかはわからないが、

タイムリーにイギリスの現在の混乱を予言したかのような作品を描いたバンクシーの運や才能は凄いとしか言いようがない。

Banksy公式インスタグラムの投稿

オークションで「Devolved Parliament」が約13億で落札された後、バンクシーは自身の公式インスタグラムでこんな投稿をアップした。

https://www.instagram.com/p/B3KvQsEnUl8/

この投稿でバンクシーは20世紀最後の美術史評論家とも呼ばれたロバート・ビューズの芸術批評を紹介し、コメント欄にはこう綴っている。

Record price for a Banksy Painting set at auction tonight .Shame I didn't still own it.

日本語にすると、こんな感じだろうか。

今夜、Banksy(バンクシー)の絵がオークションで過去最高額を記録した。残念!まだあの作品持っておけばなぁ...


これからバンクシー作品の価格はどうなるのか?

これは、「現存するレジェンド バンクシー の作品を自宅に飾りたい」という人にとっては、1番気になる話題かも知れない。

このチンパンジーの巨大作品以前のこれまで、バンクシー作品がオークション最高落札額を記録したのは、2008年2月14日のバレンタインデーにニューヨークで落札された「Keep It Spotless」だった。

Banksy Keep It Spotless 2008

ダミアン・ハーストの名作「Spot Painting」にメイドを描き足しオマージュしたこの作品の落札額は約1億9千万円(約180万ドル)だった。

去年10月(2018年)に、今回と同じロンドンのオークション会場で、バンクシーの作品「Girl with Balloon」が約1億5千万円で落札直後、額縁の内蔵されたシュレッダーで作品がビリビリになった事件以降、バンクシー作品の市場価格はずっと緩やかに上昇している。

これまでの最高落札額が1億9千万円、今回の新最高落札額は約13億円。

単純に計算して、6.5倍以上も最高落札額が更新され、さらなるバンクシー作品の市場価格上昇が予想されそうだ。

今後のバンクシーはどうなるのか?

数日前にも、バンクシーがロンドンで公式ショップをオープンした記事を紹介した。

バンクシーがメディアに送った声明の中で、オンラインで商品を発売する予定があると発表しているし、年内はまだこの公式ショップ関連で、色んな新しいニュースを紹介できそうだ。

バンクシー自身は、現代アートとは距離を置いて活動しているが、今回の作品の落札額が10億円(もしくは1000万ドル)を越えたことで、現代アートコレクターの中では1つレベルが上がったと考える人も増えてくるだろう。

アートの歴史に新しいページを書き加え続けるバンクシーの今後の動向がますます見逃せない。

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